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【新商品開発の極意】地域資源を活用した新商品開発の5ステップと押さえておくべき3つのポイント

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商品開発会議

地域資源を活用した新商品開発は、地域活性化の重要な鍵となります。また、日本各地に埋もれている地域資源に光を当てることができれば、ビジネスとして大きな成功をもたらす可能性も秘めています。しかし、単に地域資源を製品化するだけでは、継続的な事業として成功を収めることは困難です。

本記事では、実際の成功事例を交えながら、新商品開発における重要なポイントをご紹介します。

商品開発を成功に導く5つのステップ

Step1:地域資源の価値の再発見

地域資源は、長年その地域で親しまれてきた故に、当事者である私たちには「当たり前」になってしまっていることがよくあります。しかし、その「当たり前」の中に、実は大きな可能性が眠っているかもしれません。

そのため、以下の視点で改めて価値を見直すことが重要です。

  • 歴史的背景の調査:なぜその資源がその地域で発展したのか
  • 技術や特徴の明確化:他の地域にない独自の特徴は何か
  • 現代における価値の再定義:現代のライフスタイルにどう活かせるか

Step2:市場調査とターゲット設定

商品開発の成功には、「誰に、何を、どのように届けるか」という明確な方向性が必要です。そのために、徹底的な市場調査とターゲット設定を行います。

  • ニーズ調査:潜在的な顧客が求めているものは何か
  • 競合分析:類似商品との差別化ポイントは何か
  • ターゲット層の明確化:誰に届けたい商品なのか

Step3:商品開発プロセス

市場調査で得られた知見を基に、具体的な商品開発に着手します。この段階では、スピード感を持って試作と改良を繰り返すことが成功への近道となります。

  • コンセプト設定:商品の核となる価値は何か
  • プロトタイプ作成:実際に形にして検証する
  • テストマーケティング:小規模で市場の反応を確認
  • 商品改良:フィードバックを基に改善を重ねる

Step4:ブランディングと販売戦略

どんなに優れた商品であっても、適切な販売戦略がなければ市場での成功は非常に難しいものです。商品の価値を最大限に引き出すブランディングと、効果的な販売戦略の構築が求められます。大手企業が新商品を開発した際に、マーケティング戦略やブランディング戦略を広告代理店と組んで行うのも、この戦略が成功のキモであり非常に重要なものだとわかっているからです。

  • ブランドストーリーの構築:商品の背景にある物語の整理
  • パッケージデザイン:商品の価値を視覚的に表現
  • 販路開拓:ターゲットに届く販売チャネルの選定
  • プロモーション計画:効果的な情報発信方法の策定

Step5:継続的な改善とスケールアップ

商品開発して市場に投入した後も、ホッとしてただ売れるのを待つだけではいけません。顧客の声に耳を傾け、商品やサービスの改善を続けることが重要です。地域資源を活用した商品は、その地域全体のブランド価値向上にも貢献する可能性を秘めていますので、可能であれば地域の行政や商工会議所等の要所とも情報共有やタイアップを行いながら育てていく必要があります。

  • 顧客フィードバックの収集:継続的な改善点の把握
  • 商品ラインナップの拡充:顧客ニーズに応じた展開
  • 販路の拡大:段階的な市場の開拓
  • 地域ブランドとしての確立:地域全体の価値向上

地域資源を活用した新商品開発で押さえておくべき3つのポイント

Point1:伝統と革新のバランスを取る

地域資源の価値を守りながら、現代のニーズに応える製品開発が求められます。

成功事例:本庄絣(本庄織物)のリブランディング

埼玉県本庄市の伝統工芸である本庄絣を例に見てみましょう。

伝統的な織物技術を継承しながら、現代的なニーズに応えるため、レザーとの組み合わせという新しい試みを実施。その結果、伝統工芸としての価値を保ちながら、現代のライフスタイルに馴染む商品として生まれ変わりました。

本庄織物を活用したレザーバッグ

商品を取り扱っているECサイトはこちら

重要なアクションポイント:

  • 伝統技術の本質的な価値の見極め
  • 現代のライフスタイルとのマッチング
  • 職人の技術を活かした新しい表現方法の模索

Point2:多様な連携による相乗効果の創出

地域資源の活用では、様々な立場の関係者との協力が不可欠です。

成功事例:南河原スリッパの復活

埼玉県の地場産業である南河原スリッパの事例では、商工会と民間事業者が協力し、以下のような取り組みを実現:

  • 商品企画から販売までの一貫した戦略立案
  • ECショップの立ち上げによる販路拡大
  • 地域ブランドとしての価値向上

南河原スリッパのECサイトはこちら

ポイントとなる連携先:

  • 地域の職人や技術者
  • 商工会議所(または商工会)
  • 地方自治体
  • デザイナー(製品デザイナー、WEBデザイナー、映像デザイナー等)
  • 小売業者
  • 地域メディア

Point3:マーケティング戦略の現代化

伝統的な地域資源も、現代のマーケティング手法を効果的に活用することで、新たな価値を見出すことができます。

成功事例:小渕捺染の挑戦

老舗染色会社「小渕捺染」の事例では、商品開発から販売までを外部事業者と共創し、「toiki」という新ブランドを立ち上げ。以下の要素を組み合わせた効果的なマーケティング戦略を展開:

  • 商品企画とデザインの刷新
  • 展示会やPOPUPショップでの直接的な顧客接点の創出
  • ECサイトを活用したオンライン販売の強化
手染め生地を使用したファッションブランド「toiki」

「toiki」の販売サイトはこちら

効果的なマーケティング施策:

  • SNSを活用した情報発信
  • 展示会やイベントへの出展
  • ECプラットフォームの活用
  • 実店舗でのPOPUP展開
  • ストーリー性のある商品説明

日本各地には活用できる地域資源が豊富に眠っている

日本の各地域には、歴史や文化に根ざした多様な地域資源が存在しています。しかし、地域に住む私たちには「当たり前」になっているため、どうしてもその価値に気づきにくくなります。そこで重要になるのが、地域外の人々の視点です。例えば、観光客や地域外のバイヤー、専門家などの意見を積極的に取り入れることで、これまで見過ごされていた資源の新たな可能性が見えてくることもあります。

以下に代表的な地域資源を挙げてみましょう。

食品関連

  • 地域特産の農産物
  • 伝統的な加工食品
  • 地域独自の調理法や食文化

工芸品関連

  • 織物・染物
  • 陶磁器
  • 木工品
  • 金属加工品
  • 竹細工

その他

  • 伝統的な技術・技法
  • 自然景観
  • 歴史的建造物
  • 文化的な行事や祭り

これらの地域資源を発掘しビジネスや地域活性化に活用する際は、地域内の関係者だけでなく、デザイナーやマーケティングの専門家、商品開発のアドバイザーなど、外部の視点を持つ協力者を巻き込むことで、より魅力的な商品開発につながる可能性が広がります。特に、若い世代や都市部の消費者の意見等を取り入れることで、現代のニーズに合った商品開発が実現できるでしょう。

「活用できる地域資源が何もない」という地域は存在しません。そう思っているのは、ただその価値に気づいていないだけです。

これからの日本を元気にするのは、「地方の力」であり、「地域資源」です。それを活かすことができれば、地域も事業者もそこに住まう人々も、本当の豊かさを手に入れられるかもしれません。

お気軽にご相談ください

地域資源活用におけるアイディアや企画立案にお困りの方、新商品開発支援のアドバイザーをお探しの方、この記事内で挙げた事例について詳細を知りたい方は、是非一度ご相談ください。

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    この記事の著者

    合同会社きらりすと 代表 内原絵美

    千葉大学法経学部総合政策学科卒業。群馬県出身。
    製薬会社・広告代理店での経験を経て、2015年にファッションブランドを立ち上げ起業。「第2回創業スクール選手権」にてビジネスプランが最優秀賞「経済産業大臣賞」を受賞。ビジネスの傍ら、地方創生やまちづくりにも携わる。
    2020年に女性起業支援プロジェクト「Lady★Go」を行政と共同で立ち上げ、全体統括・企画・プロデュースを担う。
    現在は、大手企業へのPR戦略立案やライティング、地域資源を活用した新規事業開発など、幅広いコンサルティング事業も展開。全国各地で起業・キャリアに関する講演活動も精力的に行っている。

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