「仕事」は人生の中での優先順位一番にしてはいけない。

春が訪れる前に必ず起こる気温の急変化。20度を超えて半袖でもいいんじゃないかと思うような暖かい日もあれば、次の日にはびっくりするほど冷え込んで雪がぱらつくのだから、体調管理していないとやられてしまう。この春の気温乱高下は、ビットコインの乱高下を彷彿とさせる。
私は春の訪れを気温が暖かくなる前に庭の草の具合で感じる。冬の間お目にかからなかった草が、急に青々とした色彩を纏って土からでてくる。冬の間土の中で生命力を養い蓄えて出てきた草は、若々しい色合いだ。毎年この季節になると、
「今年こそ草なんぞに負けてなるものか!」
という気持ちになる。
春夏は、仕事や家事に忙しいからと見てみぬふりをしていると、庭はすぐに草ボーボーになる。手に負えなくなる前に草むしりというやつを習慣化しておくのがいいのだろうが、毎年草の勢いに負けてしまう。完敗といってもいい。
思い腰を上げて草むしりをする時には、もうどうしようもない状態になっている。人間もそうだが、草も生命力あふれるやつはしぶといのだ。根っこに近い部分を持って私の全体重をかけて抜こうとしたとて、びくともしない。どんだけ根を強く深くはっているんだと、どうしようもない気持ちになりながら、草刈り鎌を片手に「これでもくらえ!」と何度も何度も振りかざす。その時の私は、きっと殺人鬼のような形相で鎌を振り回してるに違いない。
その動作は、普段使わない筋肉を使い、さらには私の持つ体力を奪い去る。
草むしり後の私はまるで使い物にならないブリキ人形そのもの。
トイレで用を足すのに便器に座る動作も痛くてままならない。
「仕事せんと」とは思うけれど、どうもそんな気力が起こらず、草むしりの後は体力回復と称してぐうたら過ごすことになる。
私は普段仕事が好きだし、一日中ずっとパソコンに向かっていても苦痛は感じないタイプだ。でも体力が奪われた途端、仕事の戦闘能力もゼロになる。
平日は仕事をするというのが習慣づいているせいか、うっかり昼寝なんぞしてしまったら、起きてからなんともいえない気持ちになる。ある種の罪悪感というか後ろめたさというか。無駄な時間を過ごしてしまったという焦りのような気持ちも出てきて、無性に寝覚めが悪い。
こんな時、私は何に追われて生きているんだろうと思う。
人間は、寝て、食べて、動いて、笑って、を繰り返していればストレスなく健康に過ごせるだろうに、私にはそれができない。そこに仕事を加えないとどうも気分が悪くなるのだ。
改めて、仕事というものを習慣づけると人間としてなんか違う方向にいってしまうのではないかという気がしてきた。
毎日仕事をしていると、「仕事せんといかん」というのが刷り込まれるんだと思う。そして、人間として大切なものの順位が変わってきてしまう。
仕事が好きというのは素晴らしいけど、ほどほどに。
人生の優先順位の最高位に仕事を持ってきてはいけない。
なぜ仕事をしているのか、
仕事の先にどんな未来を描こうとしているのか、
それがぼやけると人間としておかしくなる。
あなたは、仕事から離れて何日ぐうたらできますか?
平日に昼寝した後にはどんな気持ちになりますか?