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健康美容関連商品のプロモーションで押さえるべき薬機法のポイント

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健康サプリメント

急成長する健康商品市場と増加するリスク

近年、健康志向の高まりやコロナ禍を経て、美容健康関連商品市場は著しい成長を遂げています。特に、健康食品やサプリメント、スキンケア製品などの市場規模は大きく、今後も成長が見込まれている分野です。

この市場の拡大には、以下のような背景があります:

  • 高齢化社会の進展による健康意識の向上
  • SNSの普及による美容・健康情報の拡散
  • D2C(Direct to Consumer)ビジネスモデルの台頭
  • 予防医療への関心の高まり

健康商品市場の急成長に伴い、新規参入企業が増加する一方で、様々な課題も浮上しています。特に注目すべきは、商品のプロモーションに関する法的リスクです。

知らないと危険!薬機法の基本

健康商品のプロモーションを行う上で、最も重要な法規制が「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」です。

この薬機法は、医薬品や医療機器だけでなく、健康食品や化粧品、美容器具等でも薬機法違反になる場合がありますので注意が必要です。例えば、医薬品ではないのに医薬品のような効能効果をうたったプロモーションをするとNGで、薬機法違反です。

薬機法違反の代表的な事例

  1. 疾病の治療効果を謳う表現の使用
    • 「糖尿病が改善する」
    • 「高血圧を下げる」
    • 「がんを予防する」
  2. 医薬品的な効能効果の標榜
    • 「痛みが消える」
    • 「花粉症の症状が緩和される」
    • 「肌荒れが治る」

具体的に例を挙げると以下のようなケースです。

Case 1: SNSマーケティングでの違反例:サプリメント会社が、インフルエンサーを活用したプロモーションで、「慢性的な肩こりが改善した」「花粉症の症状が劇的に良くなった」などの体験談を投稿。

Case 2: LP(ランディングページ)での表現違反例:化粧品会社が、商品紹介ページでなんらエビデンスの提示もなく「シミやシワが消える」「肌の奥まで有効成分が浸透」という表現を使用

効果的かつ適切なプロモーション戦略

では、薬機法を遵守しながら、効果的なプロモーションを行うにはどうすればよいのでしょうか?

1. 表現の工夫

✅ OK な表現例とその理由:

  • 「お肌のうるおいをサポート」→ 効果を断定せず、サポートという表現を使用
  • 「健やかな毎日をサポート」具体的な効能に言及せず、一般的な表現を使用
  • 「美容と健康をサポート」→ 直接的な効果を謳わない抽象的な表現

❌ NG な表現例と違反理由:

  • 「シミがなくなる」→ 医薬品的な効能効果の標榜
  • 「疲労回復」→ 医薬品でないものの医薬品的な効果を示唆
  • 「体質改善」→ 医学的な効果を示唆する表現

2. エビデンスの適切な提示

  • 科学的根拠のある原材料の説明
  • 第三者機関による調査結果の引用
  • 具体的な数値やデータの提示

3. ユーザー体験の活用方法

  • 個人の感想として明確に表示
  • 効果を断定しない表現の使用

業界ごとに独自の注意点やガイドラインがある場合は、それも確認しておきましょう。
▶︎化粧品業界
「美容効果」に関する表現規制、「皮膚の構造改善」等の表現制限、使用前後の比較写真の扱い方

▶︎健康食品業界
「健康の維持・増進」に関する表現、「体験談」の扱い方、原材料の効能効果の説明方法

▶︎サプリメント業界:「栄養補給」に関する表現、「機能性表示食品」の表示ルール、研究データの引用方法

リスクを最小限に抑えるためのチェックポイント

プロモーション担当者の知識や判断だけに頼らず、専門家のチェックや、社内の審査体制の構築、自社でマニュアルを作るなど、薬機法に抵触せずに効果的なプロモーションができるよう、事前にリスク管理しておきましょう。

  1. 商品の表示・広告の事前確認
    • 法務部門や専門家によるチェック
    • 業界ガイドラインとの照合
    • 競合他社の表現分析
  2. 社内体制の整備
    • 広告審査体制の構築
    • 担当者への定期的な教育
    • マニュアルの整備
  3. 最新の規制動向の把握
    • 業界団体からの情報収集
    • 専門家との連携
    • 定期的な勉強会の実施

まとめ:攻めの広告戦略と守りの法令遵守の両立

健康美容関連商品市場の成長は、ビジネスチャンスの拡大を意味する一方で、適切な法令遵守なくしては、持続的な成長は望めません。

特に以下の3点を意識することで、効果的かつ安全なプロモーションが可能となります:

  1. 薬機法を含む関連法規の正確な理解
  2. 表現方法の工夫による魅力的な訴求
  3. 適切なエビデンスの提示とユーザー体験の活用

専門家による支援のご案内

薬機法に準拠した効果的なプロモーション戦略の構築にお悩みではありませんか? 小さな判断の誤りが、大きな損失に繋がることもありますので、少しでも不安がある場合には、専門家による支援をおすすめします。当社では、以下のようなサポートを提供しています:

  • 広告表現の法的チェック(場合により、弁護士の法規チェックを入れます)
  • プロモーション戦略の立案
  • 社内教育・研修の実施

詳しくは下記お問い合わせフォームよりご連絡ください。 経験豊富なコンサルタントが、貴社の課題に合わせた最適なソリューションをご提案いたします。

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    この記事の著者

    合同会社きらりすと 代表 内原絵美

    千葉大学法経学部総合政策学科卒業。群馬県出身。
    製薬会社・広告代理店での経験を経て、2015年にファッションブランドを立ち上げ起業。「第2回創業スクール選手権」にてビジネスプランが最優秀賞「経済産業大臣賞」を受賞。ビジネスの傍ら、地方創生やまちづくりにも携わる。
    2020年に女性起業支援プロジェクト「Lady★Go」を行政と共同で立ち上げ、全体統括・企画・プロデュースを担う。
    現在は、大手企業へのPR戦略立案やライティング、地域資源を活用した新規事業開発など、幅広いコンサルティング事業も展開。全国各地で起業・キャリアに関する講演活動も精力的に行っている。

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